平成14年愛知県保育士問題 社会福祉

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問題1 社会福祉の理念・思想について、誤っているものを1つ選び記号で答えなさい。

   ア.1950年の第5回国際社会事業会議における社会福祉の概念は、「社会事業とは、正常
     な一般生活の水準により脱落・背離し、またはそのおそれのある不特定の個人または
     家族に対し、その回復・保全を目的として、国家、地方公共団体、あるいは私人が、
     社会保健、公衆衛生、教育などの社会福祉増進のための一般対策とならんで、または
     これを補い、あるいはこれに代わって、個別的、集団的に保護・助長あるいは処置を
     行う社会的組織的な活動である」とされているが、これは救貧的な社会事業概念であ
     る。
   イ.戦後の福祉思想と実践に大きな影響を与えた糸賀一雄は、社会福祉とは社会全体の福
     祉のなかで、個人の福祉が保障されることであるとしている。
   ウ.1948年の世界人権宣言は、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等、人権の尊
     重、言論及び信仰の自由など、市民的自由と政治的権利、社会権などを宣言している。
   エ.B.S.ラウントリーは、3回にわたる調査結果の報告を『ロンドン民衆の生活と労働』に
     著した。そこで、市民の 30.7%が貧困線以下の生活を送っており、貧困の原因は個人
     的習慣ではなく、雇用や環境の問題であると指摘した。
   オ.岡村重夫によれば、社会福祉の固有の役割とは、3種類の生活困難、「社会関係の不調
     和」「社会関係の欠損」「社会制度の欠如」に介入し、個人が基本的な社会制度を主体
     的に利用できるように援助することであるという。


問題2 次の@からEの社会福祉の歴史展開に関する記述のうち、関係の深い事柄を結びつ
    けたものを○、そうでないものを×とすると、その組み合わせで正しいものを一つ選び、
    記号で答えなさい。

   @ 恤救規則 − 人民相互の情誼 − 無告の窮民
   A 留岡幸助 − 岡山孤児院 − 感化救済事業
   B 笠井信一 − 救世顧問制度 − 民生委員
   C エリザベス救貧法 − 劣等処遇の原則 −マルサス 
   D セツルメント E・デニスン − リッチモンド
   E ベヴァリッジ − 5巨人悪 − 福祉国家

   [組み合わせ]
 
 @ABCDE
××××
×××
×××
×××
×××


問題3 社会福祉法に関する記述のうち、( )に当てはまる語句を下から選び記号で答えな
    さい。

     社会福祉法(昭和26年法律第45号)は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通
    的基本事項を定め、社会福祉を目的とする他の法律と相まって、福祉サービス利用者の利
    益の保護及び地域福祉の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適性な実施の確保
    及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、もって社会福祉の増進に資すること
    を目的としている。
     こうした観点から、本法は、次のような事項を規定している。
    1.社会福祉事業の定義及び規制手続きを定めること。
    2.福祉サービスの基本理念等を定めること。
    3.社会福祉に関する事項を調査審議するため都道府県ならびに指定都市及び中枢市に
      ( @ )を置くこと。
    4.社会福祉事業が公明・適性に行われることを確保するため、地方に社会福祉行政の現
      業機関として( A )を設置すること及びその組織を規定すること。
    5.社会福祉行政の水準を高めるため、福祉事務所に専門技術職員としての( B )を
      置くこと。
    6.民間社会福祉事業の特性を活かすとともに、公共性及び安定性を高めて、事業の適性
      かつ確実な経営を確保するため、( C )の制度を設けること。
    7.福祉サービスの適性な利用に関する事項を規定すること。
    8.社会福祉事業に従事する者の確保の促進及び福利厚生の増進を図ること。
    9.地域福祉の推進を図るため、市町村が市町村地域福祉計画を定めることができること
      とし、都道府県は、これを支援するための都道府県地域福祉支援計画を定めることが
      できること(平成15年4月1日施行)。
    10.地域福祉の推進を図るため、社会福祉事業の連絡調整等を行う、( D )を設け
      ること。
    11.地域福祉の推進を図るため、寄付金を募集し民間社会福祉事業経営者に配分する
      ( E )に関する事項を規定すること。
 
ア.社会福祉協議会 イ.社会福祉士 ウ.補助金 エ.福祉事務所
オ.地域福祉センターカ.共同募金キ.地方社会福祉審議会
ク.社会福祉法人ケ.社会福祉主事コ.コミュニティワーカー


問題4 バイステックによる「ケースワークの7原則」を書きなさい。


問題5 次の事例を読んで、(1)・(2)について答えなさい。
    [事例]
    藤田はな(仮名) 女性75歳主婦
     神経症、糖尿病、老人性うつ病の診断で入院している藤田さんは、10年前に糖尿病を指
    摘され、72歳のとき、その治療のため入院、以後毎年糖尿病及び神経症の合併で内科、神
    経科に入院を繰り返している。本年3月左大腿骨剄部骨折手術のため整形外科に移り、20
    日後再び神経科に戻る。ソーシャルワーカーは7月、主治医から「退院してもいい状態な
    のに帰りたがらない。頻尿と臥床状態で困る。何とか働きかけてほしい。」との依頼があり、
    面接を開始した。
     藤田さんは、小学校卒業後家事手伝い、その後奉公に出た。奉公先の若旦那との間に二
    人の子どもができるが、とうとう結婚はできなかった。上の息子は里子に出され、藤田さ
    んはその子の行方を知らない。下の息子は都内在住。藤田さん本人は、43歳のとき、三人
    の子どもがいる現在の夫と再婚。厳しい亭主関白の夫に従って暮らしてきた。現在夫と二
    人暮らしだが、2年前から、夫が脳梗塞でその看病が重荷になる。そのため糖尿病のコント
    ロールが不良となった。
     藤田さんは、骨折がよくなっても、家に帰りたがらない。一つは夫にあれこれと言いつ
    けられて家事をするのがもういやだ、命令的に言われるのが嫌い、威張っていていつも怒
    られる、という不満がある。夫は、家に帰ってくるのが当然と思い、またそうしてほしい
    と願っている。しかし、これまで夫は藤田さんが実子に会うことを拒否してきたというこ
    とがあり、藤田さんにしてみると、入院している限りは実子夫婦が見舞いにきてくれるし、
    孫も連れてくるということがあり、その機会を失いたくないという気持ちもあるように見
    える。実子の家に帰りたいと言うこともある。
     義理の息子も見舞いに来るが、藤田さんは入院してから口数が減り、前と変わったとい
    う印象を彼は持っている(この息子は、後に藤田さんが外泊により帰宅したときなどよく世
    話をしている。)。
     現在の状況は、主治医や看護婦が夫の話をすると怒りだし、頻繁にトイレに通い、終日
    臥床、目を閉じている。
    ソーシャルワーカーは、取りあえず本人とベッドサイドで面接をすることにした。

    (1)藤田さんの頻尿が、器質的な疾患によるものではないことが明らかであることから、
     ソーシャルワーカーは品酔う、終日臥床、閉眼という状態を本人からどのようなメッセ
     ージとして受け取れるか。次の項目のうち、リストに含めることが適切なものの組み合わ
     せを一つ選び、記号で答えなさい。

     A 現実逃避(もう、あの家や夫や、家事の責任について考えるのはいや。)
     B 詐病(仮病)(病気がまだ治らないふりをしよう。そしたら同情してもらえるでしょう。)
     C 退行(だれか助けて。私の肩から「責任」を取り除いて。)
     D 自殺願望(もう生きていくのが嫌になった。ベッドから置き上がるのも、目を開けるの
       も面倒くさい。いっそ死んでしまいたい。)

     [組み合わせ]
     ア.AB
     イ.AC
     ウ.BC
     エ.BD
     オ.CD


    (2)この場合の藤田さんの気持ちの中には、夫への敵意と、しかし離れきれない気持ち
     の葛藤がある。実子の所に帰りたいという非現実的な願望がふくらんでいるのでその表
     れである。このような場合、ソーシャルワーカーは面接で、どのような目標を立て、ど
     んな点に留意すべきか。次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

     ア.本人が過去に示した忍耐を賞賛し、再び勇気を持って立ち向かえるようにする。
     イ.夫に積極的に働きかけて妻へのやさしい気持ちを表現してくれるよう頼む。
     ウ.身体症状として表現されている現在の気持ちを言語化できるよう、面接を重ねる。
     エ.頻尿には器質的な根拠のないことをゆっくりと十分に理解させる。
     オ.本人が迷っているとき、ソーシャルワーカーは家へ帰ることと入院を続けることのそ
       れぞれのり店と問題点を提示して決断を促す。


問題6 社会福祉制度について、正しいものは○、誤っているものは×を記述しなさい。
    @生活保護法による保護の種類は、生活、教育、住宅、医療、介護、出産、生業、葬祭の
     8種類の扶助であり、各扶助は要保護者の必要に応じて、単給が行われるが併給は行わ
     れない。
    A精神保健及び精神障害者福祉に関する法律によれば、国民は、精神的健康の保持および増
     進に努めるとともに、精神障害者に対する理解を深め、及び精神障害者がその障害を克
     服して社会復帰をし、自立と社会経済活動への参加をしようとする努力に対し、協力す
     るように努めなければならないと、国民の義務が定めされている。
    B介護保健法によれば、要介護者とは、@要介護状態にある65歳以上の者。A要介護状
     態にある40歳以上65歳未満の者であって、そのよう介護状態の原因である身体上または
     精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する持病であって政令で定める
     ものによって生じたものであることと定められている。
    C母子及び寡婦福祉法では、母子福祉施設として、母子福祉センターと母子生活支援施設
     が明記され、母子福祉センターは、無料又は定額な料金で、母子家庭に対して、各種の
     相談に応ずるとともに、生活指導及び生業の指導を行う等母子家庭の福祉のための便宜
     を総合的に供与することを目的とする施設と定義されている。
    D老人福祉法上の「老人福祉施設」とは、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老
     人ホーム、老人福祉センター、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、老人介
     護支援センターであり、一方老人福祉法の規定以外の老人福祉関連施設としては、老人
     休養ホーム、老人憩いの家、有料老人ホームがある。


問題7 社会福祉従事者について、誤っているものを一つ選び記号で答えなさい。

   ア.知的障害者相談員は、1990年の改正によって新たに法定化された相談員である。知的
     障害者またはその保護者の相談に応じ、更正のために必要な援助を行う。
   イ.社会福祉士の業務には、大きく分けると相談業務と援助業務とからなる。受験資格の
     対象となる相談援助業務の範囲の具体的な職種は厚生労働省の通知による。
   ウ.非専門的マンパワーは、原則として無給で、行政サービスの提供に協力する民間奉仕
     者である。その中には、民生委員、里親、知的障害者相談員、家庭相談員が含まれる。
   エ.社会福祉士及び介護福祉士法は、1986年の「福祉関係者の資格制度について」の意見
     具申によって成立したもので、単独の身分法で定められた。わが国最初の社会福祉関
     係の国家資格であり、高齢化と福祉ニードへの専門的対応の必要性、営利企業の人材
     確保に関連する社会的要請、国際的な観点からの福祉専門職の要請の立ち遅れによる
     資格制度の早期実現の要望などが背景にあった。
   オ.ソーシャルワーカーの倫理網領は、前文の一部で、「われわれソーシャルワーカーは、
     平和擁護、個人の尊厳、民主主義という人類普遍の原理にのっとり、福祉専門職の知
     識、技術と価値観により、社会福祉の向上とクライエントの自己実現をめざす専門職
     であることを言明する。」とする。


問題8 社会福祉法により定められた利用者保護制度について、正しいものに○、誤ってい
    るものに×を記入しなさい。

    @福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心
     身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むこと
     ができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならないとされて
     いる。
    A社会福祉事業の経営者は、常に、その提供する福祉サービスについて、利用者等からの
     苦情の適切な解決に努めなければならないことが定められ、運営適性化委員会が市町村
     に置かれることとされている。
    B社会福祉事業の経営者は、福祉サービスを利用しようとする者が、適切かつ円滑にこれ
     を利用することができるように、その経営する社会福祉事業に関し情報の提供を行うよ
     う努めなければならないとされている。
    C社会福祉法に規定されるすべての福祉サービス事業者は、苦情解決責任者、苦情受付担
     当者を置くこととされ、第三者委員は必要な事業者のみ置くこととされている。
    D運営適性化委員会は、人格が高潔であって、社会福祉に関する意見を有し、かつ、社会
     福祉、法律又は医療に関し学識経験を有する者で厚生するとされている。


問題9 社会保障制度について、誤っているものを一つ選び記号で答えなさい。

    ア.国民年金は、全国民に適用され、全国民共通の基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年
      金、遺族基礎年金)を支給することになった。被用者の被扶養配偶者(無職の妻等)
      も国民年金に強制加入となり、保険料は夫が加入する被用者保険の保険者が負担する。
    イ.国民健康保険の保険者は、市町村と国民健康保険組合である。市町村は、国民健康保
      険を実子する法的義務が課せられていて、国民健康保険の主な実施主体である。
    ウ.雇用保険は、失業等給付のほかに事業主の拠出による雇用安定事業、能力開発事業、
      雇用福祉事業を行っている。
    エ.労働災害補償保険は、業務災害と通勤災害を保険事故としており、通常の社会保険と
      同様、保険者に対して拠出するのは事業主と労働者本人の双方である。
    オ.厚生年金基金は、1966年に発足し、厚生年金の一部を国に代わり給付するとともに、
      独自の上乗せを行うもので、調整年金ともいう。


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