平成13年愛知県保育士問題 児童福祉

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問題1 次の文を読んで、問(1)、問(2)に答えなさい。
     現在、日本においては高齢化とともに少子化が同時に進行している。15歳から、49歳までの女子の年
    齢別出生率を合計したものである( ア )は、1950(昭和25)年頃から急速に低下を始め、1950
    年代半ばに2をやや超えるまでに下がった後、1970年代半ばまでは安定的に推移していたが、その後
    再び低下を始め、現在まで基本的に下がり続けている。1999(平成11)年現在は、1.34と、人口を維
    持するのに必要な水準である人口置換水準の( A )を大幅に割り込んでいる。
     14歳以下の( イ )は、1982(昭和57)年移行減少を続けており、1997(平成9)年には、65
    歳以上の老年人口を下回った。
     また、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、中位推計では、日本の総人口は2007
    (平成19)年を境に( B )し始めると予測されている。
    少子化については、子ども同士のふれあいの減少などにより自主性や社会性が育ちにくいといった
    影響や、年金などの( C )費用に係る現役世代の負担の増大、若年労働力の減少等による社会の
    活力の低下等の影響が懸念されている。

    問(1) 文中の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句を解答欄に記入しなさい。
    問(2) 文中の空欄(A)、(B)、(C)にふさわしい用語を下の語群a〜iから選び、その記号を解答
         欄に記入しなさい。
          語群:a.停滞  b.社会保障  c.漸増  d.1.05  e.1.57
             f.減少  g.介護保健  h.2.08  i.国家賠償


問題2 次の文を読んで、問(1)、問(2)に答えなさい。
    (A)工場主であった( ア )は、人間にとって必要なことは、よい環境すなわち教育であるとし、
       自分の工場内に「性格形成学院」という幼児施設をつくり、幼児期から成長段階に応じた教育を与
       えた。
    (B)( イ )において、ジェネバ(ジュネーブ)宣言として知られる5か条からなる児童の権利
       に関する宣言が採択された。
    (C)コロラド大学の小児科医( ウ )のアメリカ合衆国で1年間に800例を超える被虐待児が
       発見されていたとの調査報告に基づく小児科学会のシンポジウムが開催され、児童虐待に対する
       社会の関心を高めるきっかけとなった。
    (D)( エ )大統領のもと、アメリカ合衆国では第1回ホワイトハウス児童会議が開催され、「家
       庭生活は文明のもたらした最も貴重にして卓越したもの」と貧困を理由にする母子関係の分離を
       否定した。
    (E)( オ )は、犯罪を犯した少年によい環境と教育を与えることによって感化する感化院の設
       置を主張し、東京市郊外巣鴨に家庭舎方式の私立感化院「家庭学校」を設立した。

    問(1)ふるいものから順番に並べかえ、(A)〜(E)の記号を用いて解答欄に記入しなさい。
    問(2)空欄にあてはまる語句を語群a〜nの中から選び、その記号を解答欄に記入しなさい。

          語群 a.留岡幸助 b.T.ルーズベルト c.国際連盟 d.J.コルチャック e.石井十次
        f.R.スピッツ g.R.オーエン h.国際連合 i.J.デューイ j.C.ケンプ k.WHO
        l.石井亮一 m.T.ジェファーソン n.小橋勝之助
   

問題3 次の文は、人間の成長・発達に関する記述である。空欄(a)〜(e)について、下の語群から最も
    適当な語句を選び、その記号を解答欄に記入しなさい。

   (1)子どもの成長・発達には環境が大きな影響を及ぼす。環境の中には、物理的環境などもあるが、特
      に重要なのは社会的環境であり、特に乳幼児期では母親(あるいはこれに代わって養育する人)と
      の関係が重要である。20世紀初頭、欧米で病院・施設に入院・入所している子どもに成長・発達への悪
      影響がみられることが気づかれた。これは( a )と呼ばれたが、その原因を( b )は( c )と
      考えた。つまり、病院や施設で生活することによって、母親らしい愛情に満ちた世話が受けられな
      いことが、心身への悪影響をもたらすと考えたのである。
   (2)アタッチメント(愛着)とは、子どもと特定の小数の人との間に結ばれる愛情の絆のことである。
      例えば、母親がそばを離れようとすると子どもが後を追ったり泣いたりして抵抗することや、( d )
      は、アタッチメントが成立したことを示す行動である。アタッチメントは、自立と対立することと
      考えられやすい。しかし、自立するのは、しっかりした愛情と信頼の絆ができているからこそであ
      り、困ったときは助けてもらえるという( e )あるいは信頼感があるからである。そういう意味
      で、自立のためには、その前庭としてしっかりとした絆をつくることが大事といえる。

     語群:ア.乳幼児突然死症候群 イ.自己実現欲求 ウ.A.ポルトマン
        エ.E.ケイ オ.けんか カ.ペアレンティング キ.S.フロイト
        ク.安心感 ケ.自閉症 コ.人見知り サ.優越感
        シ.マターナルデプリベーション ス.夜尿 セ.J.ボウルビィ
        ソ.ホスピタリズム タ.E.エリクソン チ.脱施設化
        ツ.A.マズロー テ.生理的微笑 ト.バタード・チャイルド・シンドローム


問題4 次の各文は法令上何といわれるか、その名称を解答欄に記入しなさい。
    (1)家庭裁判所の審判に付すべき非行少年に対する観護の措置のひとつとして収容し、家庭裁判所
       の調査、審判、保護処分の決定の資料とするために、医学、心理学、教育学、社会学その他の専
       門知識に基づいて少年の資質の鑑別を行う、法務省管轄の機関。
    (2)厚生労働大臣により委嘱され、民生委員も兼ねており、市町村の区域について、児童家庭福祉
       のために活動を行う民間の奉仕者。
    (3)不良行為をなし、またはなおすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活
       指導等を要する児童を入所させ、または保護者のもとから通わせて、個々の児童の状況に応じて
       必要な指導を行い、その自立を支援することを目的とする施設。
    (4)都道府県といわゆる指定都市、中核市、その他政令で定められた市及び東京都の特別区に設置
       され、地域における公衆衛生の中核的な機関として、地域保健法に規定する衛生知識の向上、栄
       養改善、母子保健、精神保健等について事業を広域的に実施している機関。
    (5)特別児童扶養手当等の支給に関する法律に基づいて、重度障害児(障害児のうち、さらに重度
       の障害の状態にあるため、日常生活において常時の介護を必要とするもの)に対し支給される手
       当。
 
問題5 次の各文について正しいものには○を、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。
    (1)福祉サービスの基本理念として、社会福祉法第3条には「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を
       旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力
       に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでな
       ければならない。」と定められているが、この法律の「福祉サービスの利用者」には児童が含まれない。
    (2)児童扶養手当法においては「児童」とは18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にあ
       る者または一定の障害を持つ場合は20歳未満の者である。
    (3)市町村が都道府県立の助産施設または母子生活支援施設において助産の実施または母子保護の実
       施を行った場合、その市町村が費用の支弁義務者となる。
    (4)里親とは、保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を
       養育することを希望する者であって、児童相談所長が適当と認める者のことである。
    (5)未熟児は正常な新生児に比べて生理的にも種々の未熟性があり、疾病にもかかりやすい。この
       ため、低出生体重児の届出などに基づき、未熟児が育てられている家庭を保健所の保健婦などが訪
       問し、必要な指導を行っている。


問題6 次の文中の空欄にふさわしい語句を解答欄に記入しなさい。
     近年、児童相談所における児童虐待相談の取り扱い件数が急増し、関係機関が把握していながら
    も虐待の再発を防止できずに子どもが死に至る事件が発生するなど、児童虐待への対応は児童福祉
    分野の重要な課題となっている。2000(平成12)年5月には、「児童虐待の防止等に関する法律」(以
    下、「児童虐待防止法」)が成立、公布され、同年11月に施行された。虐待されている児童の保護は、
    児童福祉法及び児童虐待防止法に基づき行われている。
     児童福祉法第25条は、「保護者に監護させることが不適当と認める児童」を発見した者について
    ( ア )または児童相談所への通告を義務づけている。通告等を受理したときは、児童相談所は
    関係者から必要な情報を収集するとともに、速やかに子どもの安全確認を行い、緊急保護の要否判
    断等を行う。保護者が介入に拒否的な場合は児童の居所などへの( イ )を行うことができる。
     調査の結果、子どもの保護が緊急に必要であると判断される場合、あるいは在宅での援助がうま
    くいかないときには、児童相談所長は( ウ )を行うことができる。調査や心理診断、医学
    診断、行動観察結果を踏まえ、児童相談所は処遇指針を決定する。処遇は在宅によるもの、児童福祉
    施設入所・里親委託などの措置をとって児童を家庭から分離するものなどがある。ただし、これらの
    家庭から分離する措置に対して、( エ )が反対している場合には、( オ )に施設
    入所措置等の承認の申立を行い、その承認に基づき当該措置をとることになる。
   

問題7 児童福祉法の立案過程においては、「児童保護法案」から「児童福祉法案」へと法案の名称の変更が
    行われている。これは法律の目的についてどのような転換が起きたことによるのか。50字以内で説
    明しなさい。


問題8 現在、子育て過程支援施策を充実することが児童家庭福祉の課題のひとつである。保育士がこの
    課題に取り組んでいくためにはどのような専門性が必要か。150字以内で述べなさい。


問題9 母子家庭・父子家庭の総称として「ひとり親家庭」という用語が近年定着してきた。家族の多様化
    という現代的な動向の中で、ひとり親家庭の生活問題に対する支援策の必要性が高まってきている。
    ひとり親家庭の福祉施策をめぐる課題について、150字以内で説明しなさい。


問題10 児童と家庭に対する相談援助活動には「総合的アプローチ」の観点が必要であるといわれている。
     総合的アプローチについて、150字以内で説明しなさい。


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